「水分と匂いと熱」 について
会場内にはり出していたテキスト
…水分
うるおい、水っけ
野菜や果物を切った時の断面細胞に光る水分の美しさ
やはり人は「水」に美を感じるのだと思うと不思議です。
若さ、エネルギー、力は水です
絵の具を紙に乗せるとき
水分を含んだ紙面に絵の具がにじみ広がる様子は得も言われず美しいのです。
なぜ乾いてしまうのだろうと必死に水分を保った状態を表現しようと頑張りますが、化学的に状態が違うのでその状態を再現する事は不可能です
筆を乗せた一瞬の、水気の保たれた美しさにたどり着きたくて、一筆ごとに試行錯誤します。
水がなくては生きていけない
だから、よりよくする事を「うるおい」なんていう
美しいもの、好きなものを追求する事、人とつながること、あらゆる時間に感謝すること、自然を賛美すること
同じように暗いもの、醜いもの、苦い辛い苦しみも何もかもを糧にして生きること
それが私の水分
…匂い
五感の中では嗅覚が一番本能的だと言います
「香り」ではなく「匂い」。
私の中では「香り」は外からやってくるイメージ。品の良い、装飾するイメージ。
「匂い」は沸き立つイメージ、生きることに直結するイメージ。
より強く本能に働きかける、心を惹かれる嗅覚。
雰囲気、音、温度ともオーラとも繋がるイメージ。
果実の匂い。花の匂い。冬の匂い。
夜の沈丁花の匂い
雨の土と葉っぱの匂い
女性の髪や肌の匂い
素敵な女性は素敵な匂いがします
忘れられない出来事にも匂いがセットである事が多いです。
その人にしかない匂い
その時にしかない匂い
…熱
熱は力です
わき上がる意思の温度です
衝撃を受けた時や
自分の芯を得たものに出会ったときに
体の中で感じる、血の流れる感覚
それが熱
恋の熱、美しくあろうと思う熱
浮かされる程の熱さえもエネルギーとして取り込んで自分の意思に変えることができる
そして
人の意思は実現する事ができる
白く瑞々しい、匂い立つ肌の内側に込められた
人に必要とされるための熱
生きるための熱